AIに同じことを聞いても、頼み方ひとつで返ってくる答えの質はまるで変わります。「思ったような回答が返ってこない」のは、多くの場合あなたのせいではなく、SBプロンプト(AIへの指示文)の書き方SEの問題です。
この記事では、ChatGPTやClaudeで今日から使える、再現性のある7つのコツを、悪い例 → 良い例の対比とコピペできる例文つきで紹介します。基本操作からの人は、先に ChatGPTの使い方ガイド を読むと土台ができます。
なぜ「頼み方」で答えが変わるのか
LLM(AIの頭脳である大規模言語モデル)は、こちらが渡した文章の続きとして、もっともそれらしい文章を組み立てています。つまり渡す情報が少なく・あいまいなほど、AIは一般論で埋めるしかありません。逆に、立場・背景・ゴール・形式をきちんと渡すほど、答えはあなたの状況に近づきます。コツは、これを具体的に渡すための型にすぎません。
ただし、すべてに型が要るわけではありません。「東京の人口は?」のような一言で答えが出る質問にまで型を当てると、かえって遠回りです。型が効くのは、文章・企画・コードなど「どう仕上げるか」に幅のある作業だと考えてください。
コツ1. 役割(立場)を与える
最初に「誰として答えてほしいか」を指定すると、語彙や視点が定まります。
- ❌ 悪い例:
新人研修の案を考えて - ⭕ 良い例:
あなたは人材育成の担当者です。IT企業の新卒エンジニア向けに、3日間の研修プランを考えてください。
コツ2. 背景・文脈を渡す
AIはあなたの状況を知りません。前提を渡すほど、的外れが減ります。
- ❌ 悪い例:
メールの返信を書いて - ⭕ 良い例:
取引先から納期を1週間早めたいと相談がありました。社内確認に2日ほしいので、いったん受け止めつつ即答は避ける返信を、丁寧めのトーンで書いてください。
コツ3. 具体的に書き、あいまい語を避ける
「いい感じに」「適当に」「ちゃんと」は、AIにとって解釈の幅が大きすぎる言葉です。数や範囲で示します。
- ❌ 悪い例:
AIについて短くまとめて - ⭕ 良い例:
生成AIとは何かを、ITに詳しくない社会人向けに、300字程度・専門用語なしで説明してください。
コツ4. 出力の形式を指定する
「どう返してほしいか」まで指定すると、そのまま使える形で返ってきます。
- 箇条書き/表/見出しつき
- 文字数・トーン(丁寧/カジュアル)
- 「まず結論、次に理由」のような構成
例:
次の議事メモを、(1)決定事項 (2)宿題(担当者つき) の2つの見出しの箇条書きに整理してください。
コツ5. お手本を見せる(few-shot)
望む形のサンプルを1〜2個渡すと、AIはそれをまねます。これは「フューショット」と呼ばれる、効果が大きいわりに簡単なコツです。例は1〜2個で十分で、増やしすぎると逆にその例文に発想が引っぱられることがあります。
例:
商品名からキャッチコピーを作ります。例)「保温タンブラー → 冷めない、を持ち歩く。」 では「ワイヤレス耳栓 →」の続きを5案ください。
コツ6. 一度に全部やらせず、手順を分ける
複雑な作業を一発で頼むと、抜けや雑さが出ます。段階に分けると精度が上がります(思考の連鎖という考え方に近いです)。
- ❌ 悪い例:
このデータ見て企画書まで作って - ⭕ 良い例:
まずこのデータから気づきを3つ挙げてください。そのあと、私が選んだ1つを企画に展開しましょう。
長い相談を続けると、AIが一度に覚えていられる範囲(コンテキストウィンドウ)から古い情報がこぼれることがあります。話が長くなったら、要点を貼り直すか、思いきって新しいチャットに分けて仕切り直すと安定します。
コツ7. 制約条件・やってほしくないことを伝える
「やってほしいこと」だけでなく「避けてほしいこと」も書くと、ブレが減ります。
例:
専門用語は使わず、断定しすぎず、箇条書きは5つまで。URLは載せないでください。
7つを1つにまとめた「型」
慣れるまでは、この型を埋めるだけで十分です。
# 役割
あなたは〇〇の専門家です。
# 背景
(状況・前提を2〜3行)
# やってほしいこと
(具体的に。数や範囲も)
# 出力の形式
(箇条書き / 表 / 文字数 / トーン)
# 制約
(避けてほしいこと)
たとえばこの型を埋めると、こんなプロンプトになります。
# 役割
あなたは新人研修の担当者です。
# 背景
来月入る新卒エンジニア5名向けに、3日間の研修を任されました。プログラミング未経験者も含みます。
# やってほしいこと
3日間のカリキュラムを、日ごと・午前/午後の単位で提案してください。
# 出力の形式
表で。各コマに「テーマ」と「ねらい」を1行ずつ。
# 制約
専門用語は使うたびに一言で補足。盛り込みすぎない。
このまま貼れば、調整しやすいたたき台がすぐ返ってきます。あとは返ってきた内容を見ながら、コツ7まで使って詰めていくだけです。
仕上げに必ず守る3つの注意点
プロンプトが上手くなっても、次の3つは外せません。
- 機密情報・個人情報を貼らない … 会社の非公開資料や顧客情報の入力は、社内ルールを確認してから。
- 答えを鵜呑みにしない … AIはもっともらしい嘘(ハルシネーション)をします。数字・固有名詞・引用は自分で裏取りします。
- 最後は自分の言葉に直す … そのまま出すと「AIっぽさ」が残ります。一度読み返して、自分のトーンに整えると伝わり方が変わります。
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まとめ
- プロンプトの質=役割・背景・具体性・形式・例示・段階分け・制約の7点を渡せているか
- 迷ったら「役割/背景/やること/形式/制約」の型を埋める
- 悪い例の多くは「あいまい語」と「文脈不足」。数と前提を足すだけで改善する
- 機密は入れない・答えは裏取り・最後は自分の言葉に直す
プロンプトは特別な才能ではなく、慣れと型です。今日の用事ひとつから、型に当てはめて頼んでみてください。