エンディングノートを買ったものの、最初のページで手が止まったまま——そんな話をよく聞きます。結論から言うと、生成AIを「話し相手」にして、書く項目を一緒に洗い出し、伝えたい気持ちを下書きにしてもらうと、ぐっと進めやすくなります。ただし、相続や医療の希望など判断が要る部分は、内容の正しさを自分で確かめ、必要に応じて専門家に相談する——ここは変わりません。この記事では、AIを"清書ではなく下ごしらえ"に使う手順を紹介します。
<!-- FIGURE: 記事全体を表すアイキャッチ(白紙のノート → AIとの対話で項目が並び、言葉になっていく流れ) -->まず結論:AIは「代わりに決める人」でなく「一緒に整理する人」
終活は、財産のことから医療や介護の希望、身のまわりの連絡先、家族へのメッセージまで、扱う範囲が広いのが特徴です。だからこそ最初の一歩が重く感じられます。AIは、この「散らかった頭の中」を一緒にほどく相手として役立ちます。
- ⭕ 何を書くべきか、項目を一緒に洗い出す
- ⭕ うまく言葉にできない気持ちを、下書きにしてもらう
- ⭕ 難しい制度の言葉を、やさしく言い換えてもらう
- ❌ 相続の分け方や、延命治療の希望そのものを決めてもらう
最後の一点が大切です。何をどう遺すか・どうしてほしいかを決めるのは、あくまで自分。AIはそこに至るまでの整理を手伝う道具、と役割を分けておくと安心して使えます。
<!-- FIGURE: AIに任せる範囲(項目出し・言い換え・下書き)と、人が決める範囲(相続・医療の希望・最終確認)の役割分担図 -->ステップ1:書く項目を一緒に洗い出す
いきなり書き始めず、まず「何を書けばいいか」の地図を作ります。ChatGPT や Claude のような会話型AIに、自分の状況を伝えて項目を出してもらいます。
エンディングノートを書き始めたいのですが、何から手をつけていいか分かりません。
私の状況に合わせて、書いておくとよい項目を大きなカテゴリに分けて挙げてください。
- 60代、配偶者と二人暮らし、子どもは独立して遠方
- 難しい専門用語はできるだけ避けてほしい
まずは全体像だけ。細かい記入はこのあと一緒にやりましょう。
「大きなカテゴリに分けて」と頼むと、〈お金のこと〉〈健康・医療のこと〉〈連絡してほしい人〉〈家族への言葉〉のように、全体像が見えます。全部を一度に埋めようとせず、書けるところから手をつけるのがコツです。
ステップ2:難しい言葉をやさしく言い換えてもらう
終活には、聞き慣れない制度の言葉が出てきます。意味が分からないまま空欄にするより、その場で意味を確かめると進みます。
「任意後見」「家族信託」「エンディングノートと遺言書の違い」を、
専門用語をなるべく使わずに、それぞれ3行くらいで教えてください。
最後に「これは専門家に相談したほうがよい」という点があれば添えてください。
ここで注意したいのは、AIの説明はあくまで下調べだということです。制度の細かい要件や最新の扱いは、ハルシネーションといって、それらしく間違うことがあります。法的な効力や手続きに関わる部分は、市区町村の窓口や、司法書士・弁護士などの専門家で必ず確認してください。AIは「言葉の意味をつかむ」ところまで、と割り切ると安全です。
<!-- FIGURE: 難しい制度用語を「意味をつかむ=AI」「効力・手続きの確認=専門家/公式窓口」に切り分けるイメージ -->ステップ3:家族への言葉を下書きにしてもらう
エンディングノートで一番手が止まりやすいのが、家族へのメッセージかもしれません。改まると、かえって書けなくなるものです。そんなときは、伝えたい断片をAIに渡して、下書きにしてもらいます。
子どもたちへ短いメッセージを残したいのですが、うまく書けません。
次の気持ちを、押しつけがましくならない、やわらかい文章にしてください。
- これまで元気に育ってくれて、ありがとうと伝えたい
- 自分の生き方は自分で選んでほしい
- 何かあっても、必要以上に気に病まないでほしい
硬すぎず、話しかけるような文体でお願いします。
出てきた文章は、そのまま写す必要はありません。「ここは自分の言葉じゃない」と感じたところを直していくと、下書きが"自分のことば"に変わっていきます。むしろ、AIの文を読んで「そうじゃないな」と気づくことが、本当に言いたいことを見つけるきっかけになります。
実際にやってみて感じたこと
筆者が親のためにエンディングノートの項目を一緒に整理したとき、意外だったのは「連絡してほしい人リスト」で会話が弾んだことです。名前を挙げるうちに、昔の友人や世話になった人の思い出話になり、ノートを埋める作業が、これまでを振り返る時間になりました。埋めるのが目的というより、話すきっかけになる——そう感じました。
進めるうえで気をつけたい点も、いくつかあります。
- 口座番号・暗証番号・保険証券の番号などは、AIに入力しない(会話の内容は自分の手元だけにとどめる意識で。数字は紙のノートに手書きで)
- 書いた内容は、家族が見つけられる場所と存在を、信頼できる人に伝えておく
- 気持ちや希望は変わってよいもの。日付を入れておき、折々に見直す
エンディングノート自体は、書店や通販で手に入る市販のノートを使うのが手軽です。書き込みやすいものを一冊決めておくと続けやすいので、AmazonPR などで自分に合ったエンディングノートを探してみるのもよいでしょう。AIで整理した下書きを、その一冊に少しずつ写していくイメージです。
焦らず、書けるところから
終活は、一気に終わらせるものではありません。今日は連絡先だけ、次の週末は医療の希望だけ、と少しずつで十分です。AIは、手が止まったときに「次は何を書けばいい?」と気軽に聞ける相手になってくれます。
本記事はアフィリエイトリンクを含みます(PR)。まずは「書いておくとよい項目を、大きなカテゴリで挙げて」の一文から始めてみてください。白紙だったノートに、自分の考えが少しずつ形になっていくはずです。