企画会議の前に「何かいい案ない?」と自分に問いかけて、白紙のまま時間だけ過ぎる——そんな経験はありませんか。結論から言うと、生成AIを「答えをもらう相手」ではなく「壁打ちの相手」として使うと、アイデアの数と角度が一気に増えます。大事なのは、AIに決めてもらうのではなく、自分の頭を動かすための投げ返しをもらうこと。この記事では、その具体的な進め方とコピペで使えるプロンプトを紹介します。
<!-- FIGURE: 記事全体を表すアイキャッチ(自分ひとりの空回り → AIとの往復でアイデアが枝分かれして広がる図) -->まず結論:AIは「答え役」でなく「壁打ち役」にする
アイデア出しでAIを使うと聞くと、「AIにいい企画を考えてもらう」と想像しがちです。ですが、それだと出てくるのは無難で平均的な案に寄りがちです。効くのは逆の使い方——自分の中にある断片をAIにぶつけて、視点を変えた質問や関連づけを返してもらうやり方です。
- ❌ 「売れる新商品のアイデアを10個ください」→ どこかで見た案が並ぶ
- ⭕ 「この方向で考えているが行き詰まっている。別の切り口を質問で返して」→ 自分の思考が動く
AIはアイデアの"部品"や"問い"を大量に出すのが得意です。そこから選び、組み合わせ、磨くのは人の仕事——この分担を最初に決めておくと、出力に振り回されずに済みます。
<!-- FIGURE: 「答えをもらう使い方」と「壁打ちで問いをもらう使い方」の対比図 -->ステップ1:前提を先に渡す(ここで質が決まる)
壁打ちの精度は、最初に渡す前提でほぼ決まります。「誰に・何のために・どんな制約があるか」を、箇条書きで先に伝えます。
これから企画の壁打ちに付き合ってください。まだ結論は出さないでください。
- テーマ: 20代向けの新しい社内報のコンセプト
- 目的: 読まれていない社内報の閲覧率を上げたい
- 制約: 予算はほぼゼロ、担当は自分ひとり、月1回発行
- 今考えていること: 動画にしたいが編集の手間が不安
まず、私が見落としていそうな論点を質問の形で5つ挙げてください。
「まだ結論は出さないで」「質問の形で返して」と縛るのがコツです。いきなり完成案を出させると考えが止まりますが、問いを返してもらうと、自分の頭が次々に動き始めます。
ステップ2:視点をずらして発想を広げる
論点が見えてきたら、意図的に視点を変える質問を投げます。同じテーマでも、立つ位置を変えるだけで別の案が生まれます。ChatGPT や Claude、Gemini のような会話型AIは、こうした視点の切り替えが速いのが強みです。
極端に振ってみる
さっきのテーマについて、次の3パターンで極端なアイデアを出してください。
1. 予算が10倍あったら
2. 予算がゼロで手作業しか使えないなら
3. 発行頻度を「毎日」にするなら
それぞれ2案ずつ、常識を外してかまいません。
別の業界からヒントを借りる
このテーマを、まったく別の業界(コンビニ/ゲーム/飲食店など)の
成功パターンに当てはめると、どんな企画が考えられますか。
アナロジー(たとえ)を明示しながら3つ提案してください。
反対から考える
「とことん読まれない最悪の社内報」を全力で設計してください。
そのあと、その裏返しから使えそうな改善案を抜き出してください。
最後の「最悪の設計」は逆張りの発想法で、まじめに良い案を探すより、悪い例のほうがスラスラ出ることがあります。そこを反転させると、思わぬ切り口が見つかります。
<!-- FIGURE: 「極端に振る」「別業界から借りる」「反対から考える」の3つの発想の型を並べた図 -->ステップ3:出た案を絞り込む・組み合わせる
数が出たら、今度は選ぶフェーズです。ここでもAIに評価軸を作らせると整理が速くなります。
これまで出た案を、次の2軸で表にしてください。
- 縦軸: 実現のしやすさ(今の予算・人員で回るか)
- 横軸: 目新しさ
そのうえで、右上(実現しやすく目新しい)に近い案を3つ選び、
それぞれ相性の良い案を1つずつ掛け合わせて、新しい案にしてください。
「掛け合わせて」と頼むのがポイントです。単体では弱い案でも、二つ組み合わせると急に輪郭が出ることがあります。
実際にやってみて分かったコツとつまずき
筆者がこの記事の構成を考えるときも、まさに壁打ちから始めました。最初に「章立てを作って」と丸投げしたら、当たり前の見出しが並んで面白みがありませんでした。そこで「読者が途中で離脱する原因を質問で挙げて」と切り替えたところ、"手順が多すぎて疲れる"という指摘が返り、ステップを3つに削る判断ができました。所要時間は、白紙で悩んでいた30分が、往復10分ほどに縮まった感覚です。
一方で、つまずきもあります。AIの案には、それらしく聞こえても事実として正しくないもの(ハルシネーション)が混ざります。「他社が必ずやっている」「この方法なら確実」といった断定は、そのまま企画書に写さず、必ず自分で裏を取ってください。AIが出すのはあくまで発想の種で、事実の保証ではありません。
- 数字・事例・固有名は、公式情報で一次確認する
- 社外秘・個人情報を含むテーマは、会社が許可したツール・アカウントで扱う
- 最終的に「これでいく」と決めるのは人——AIに決定権を渡さない
慣れてきたら「自分の壁打ちルール」を固定する
同じ担当業務でアイデア出しを繰り返すなら、毎回の前提をプロンプトの先頭に固定しておくと立ち上がりが速くなります。
【壁打ちの固定ルール】
- 最初は必ず質問だけを返す(結論を急がない)
- 案には「弱点」も一言添える
- 私が「絞る」と言うまでは広げ続ける
- 断定表現は避け、根拠が要る部分は「要確認」と印をつける
アイデア出しのような、正解のない発散作業こそAIとの相性が良い領域です。「発想をどう引き出すか」「プロンプトでどう視点をずらすか」を腰を据えて身につけたいときは、UdemyPR などのオンライン講座で、生成AIの企画・発想術の講座を探すのも一つの手です。
本記事はアフィリエイトリンクを含みます(PR)。次に手が止まったら、まず「結論は出さないで、質問で返して」の一文から壁打ちを始めてみてください。ひとりで抱えていた白紙の時間が、考えが転がり出す往復に変わっていくはずです。