口コミやレビューは「読む時間がなくて放置」になりがちですが、AIに渡せば分類・要約・改善点の洗い出しまでを短時間で下ごしらえできます。結論から言うと、やることは3つです。①レビューを集めてテキストにする、②AIに「分類の軸」を指定して仕分けさせる、③よく出る不満やほめ言葉を要約させて、次の一手を人が決める。
大事なのは、AIに判断を任せないこと。件数を数えたり、個人情報を扱ったり、対応を決めたりするのは人の仕事です。AIは「たまった声を読みやすい形に整える相棒」と考えると、ちょうどいい距離感になります。
<!-- FIGURE: 口コミ→AIで分類・要約→人が改善を決める、の3ステップ全体像 -->なぜ口コミ分析はAIと相性がいいのか
口コミは「自由に書かれた文章」です。星の数だけ見ても、何に不満で何が喜ばれたのかは分かりません。ひとつずつ読めば分かりますが、数百件になると現実的ではなくなります。
この「バラバラの文章から共通点を見つける」作業は、自然言語処理を得意とする生成AIが下ごしらえしやすい領域です。文章の良し悪し(肯定的か否定的か)を見分ける感情分析や、話題ごとのまとめも、指示すればまとめて返してくれます。
ただし、AIは「それらしい要約」を作るのが上手なぶん、書かれていないことを補って言い切ることがあります(これをハルシネーションといいます)。だから最後は必ず元の口コミと照らし合わせます。
手順①:口コミを集めてテキストにする
分析の前に、レビューを1か所に集めます。集め先の例です。
- Googleマップやビジネスプロフィールの口コミ
- 自社ECサイト・楽天・Amazonなどの商品レビュー
- 予約サイトやアプリストアの評価コメント
- 問い合わせフォームやアンケートの自由記述
コピーして、1件1行のテキストや表(日付・星の数・本文の3列など)にまとめておくと、あとの作業がぐっと楽になります。ここで氏名や連絡先などの個人情報は消すか、「Aさん」などに置き換えておきます。社外に出せないデータを許可されていないツールに貼らない、という基本も忘れずに。
<!-- FIGURE: 口コミを「日付・星・本文」の表に整える例 -->手順②:分類の軸を指定して仕分けさせる
いきなり「分析して」と頼むと、ぼんやりした感想が返ってきます。分類の軸を自分で決めて渡すのがコツです。飲食店なら「味・接客・価格・清潔さ・待ち時間」、ECなら「品質・配送・梱包・説明との違い・サポート」といった具合です。
そのまま使えるプロンプトの例です。
あなたは顧客の声を整理するアシスタントです。
以下は当店のレビューです(1行1件)。次の手順でまとめてください。
1. 各レビューを「味/接客/価格/清潔さ/待ち時間/その他」に分類
(複数該当する場合は複数タグを付ける)
2. それぞれを「肯定的/否定的/どちらでもない」に判定
3. 分類×判定の件数を表にする
4. 判断に迷ったレビューは「要確認」として別に列挙
※本文に書かれていないことは推測で補わないこと。
※件数はあくまで目安。最終的な数はこちらで数え直します。
レビュー:
(ここに貼り付け)
「書かれていないことは補わない」「件数は目安」と最初に釘を刺しておくと、後の確認が楽になります。
手順③:不満とほめ言葉を要約し、次の一手を考える
仕分けができたら、掘り下げます。特に否定的な声は、改善のヒントの宝庫です。
上の分類のうち「否定的」なレビューだけを対象に、次を出してください。
・繰り返し出てくる不満のテーマを、多い順に5つ
・それぞれについて、実際の言い回しを2〜3例そのまま引用
・すぐ直せそうなこと/時間がかかることに分けて整理
断定はせず、「〜という声が複数あった」という書き方にしてください。
肯定的な声も同じように要約すると、「何が強みとして伝わっているか」が分かり、案内文やメニューの言葉選びに生かせます。ここまで来たら、AIの要約を元のレビューと突き合わせて確認し、対応するかどうかは人が決めます。
<!-- FIGURE: 否定的レビュー→テーマ別に集約→「すぐ直せる/時間がかかる」で仕分け -->実際にやってみて分かったこと
70件ほどの口コミを表にして試したところ、貼り付けから最初の分類表が出るまでは数分でした。手で全部読んで付箋に書き出していた頃と比べると、下ごしらえの時間はかなり短くなった、というのが正直な実感です。
つまずいた点は主に3つでした。
- 件数がずれる:AIの数えた件数は目安と割り切り、確定は表計算ソフトで数え直しました。
- 良い口コミに引っぱられる:全体をまとめさせると褒め言葉が目立つので、「否定的だけ」と対象を絞ると改善点が見えやすくなりました。
- 要約が丁寧すぎる:「10件の不満」が要約で「多くの声」に膨らむことがあり、必ず元の言い回しを引用させて確認しました。
使うときの注意点
- 数字と最終判断は人が持つ:「何件」「何%」はAIの出力をうのみにせず数え直します。対応するかどうかも人が決めます。
- 個人情報は入れない:氏名・連絡先・注文番号などは消してから渡します。社外秘のデータは、利用が認められた環境だけで扱います。
- やらせ・不自然なレビューに注意:極端に短い高評価や似た文面が続くものは、傾向がゆがむ原因になります。分析の前に一度目視すると安心です。
- 改善の"約束"を勝手に作らない:AIに販促文まで書かせるときは、実際にできることだけを書くよう指示します。
まとめ
口コミ・レビュー分析は、「集める→軸を決めて仕分け→要約して人が決める」の順で進めると、AIの得意な下ごしらえと人の判断がきれいに分かれます。まずは手元にある数十件からで十分です。分類の軸をひとつ決めて、今日ぶんの声を仕分けてみるところから始めてみてください。
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