「毎日のこの作業、もっと楽にできるのに」と現場では気づいているのに、いざ提案書にしようとすると手が止まる。そんなときは、頭の中のモヤモヤをAIに一度ぜんぶ吐き出して、業務改善提案書のたたき台に整えてもらうのが近道です。この記事では、ChatGPT や Claude を使って、目的・現状・改善案・効果の順で「読む人が判断しやすい」提案書を作る手順を、コピペできるプロンプトつきでまとめます。
結論から言うと、AIに任せるのは「文章の骨組みと言い換え」まで。数字と、通すかどうかの判断は人が握る——ここを分けておけば、短い時間で角の立たない一枚が作れます。
<!-- FIGURE: 記事全体を表すアイキャッチ(現場の気づき→AIで整理→提案書の一枚に変わる流れ) -->業務改善提案書は「型」で決まる
提案書が通りにくいのは、内容が悪いからではなく、読む人が「で、何をどうしたいの?」を最後まで探さないと分からない書き方になっているからです。逆に言えば、次の型に沿うだけで、ぐっと伝わりやすくなります。
- 目的(何のために): この提案で最終的に良くしたいこと
- 現状と課題(いま何が起きているか): 具体的な作業・頻度・かかっている時間
- 改善案(どう変えるか): 手順ベースで。1案に絞らず、松竹梅で幅を持たせると親切
- 期待できる効果: 時間・ミス・負担の変化。数字は「見込み」と明記
- 懸念とその対策: 反対されそうな点を先に自分でつぶしておく
- 費用・体制・スケジュール: おおよそでよいので触れる
この6ブロックは、そのままAIへの指示(プロンプト)の枠にもなります。枠を渡して埋めさせるほうが、AIは的外れなことを書きにくくなります。
まず現状を「口語のまま」AIに渡す
いちばん時間がかかるのは、じつは改善案ではなく「現状の言語化」です。ここは、きれいに書こうとせず、思いついた順に話し言葉でメモを渡すのがコツです。
例として、実際に社内の経費精算まわりの改善を書いたときのメモがこんな具合でした。
毎月末、各自がエクセルに経費を入力→紙で印刷→上長印→経理に提出。経理が再入力してる。月80件くらい。差し戻しが多くて、原因は勘定科目のミスと領収書の添付漏れ。1件あたり往復で15分くらい潰れてる感覚。
このメモをそのまま貼って、次のように頼みます。
あなたは業務改善のコンサルタントです。以下は現場の担当者による走り書きのメモです。
これを「業務改善提案書」の【現状と課題】セクションに整えてください。
条件:
- メモに書かれていない数字や事実は足さない(推測が必要な箇所は【要確認】と明記)
- 作業の流れが分かるように箇条書き+一文の要約でまとめる
- 誇張した言い切りや大げさな強調は使わない
--- メモ ---
(ここに上のメモを貼る)
ポイントは「書かれていないことは足さない」と釘を刺すこと。AIは空欄を埋めたがる性質があり、放っておくと「年間◯◯万円の損失」といった、こちらが言っていない数字を作ってしまうことがあります(ハルシネーション)。数字は必ず自分で数え直す前提で、AIには「型に整える」役だけをお願いします。
改善案は「1案」でなく「松竹梅」で出させる
改善案を1つだけ書くと、読む人は「賛成か反対か」の二択になり、反対されると終わってしまいます。そこで、AIには幅のある複数案を出させます。
次の【現状と課題】に対する改善案を、3段階で提案してください。
- 松(理想案): コストや工数はかかるが効果が大きい
- 竹(現実案): 今の体制ですぐ始められる
- 梅(最小案): ほぼコストなしで今日から試せる
各案について「やること・必要なもの・想定される効果・懸念」を1行ずつ。
効果は断定せず「〜が見込める」の書き方で。
こうして出た案を眺めると、自分では「システム導入(松)」しか思いついていなかったのに、「まずは差し戻しの多い2項目だけチェックリスト化する(梅)」という、上長が一番うなずきやすい入口が見つかったりします。通したい本命は竹か梅に置くのが、実務では効くやり方です。
<!-- FIGURE: 松竹梅3案の比較表(コスト・効果・すぐ始められるかの3軸) -->「反対されそうな点」を先回りでつぶす
提案書が差し戻される多くは、内容ではなく「その懸念、考えてる?」への答えが無いからです。ここもAIが得意なところです。自分の案に、あえて反対の立場から突っ込ませます。
この改善案に対して、決裁者(部長)が出しそうな反対意見・懸念を5つ挙げてください。
そのうえで、それぞれに対する現実的な回答案も添えてください。
私が見落としている前提があれば、質問の形で指摘してください。
「その予算どこから出すの」「今の担当者の負担が増えるだけでは」といった、痛いところを先に言語化してくれます。ここで出た質問のうち、自分で答えられないものは提案書に書く前に確認する——これだけで提案の精度が一段上がります。
提案書の一枚に清書する
材料がそろったら、最後に全体を1枚に整えます。
以下の材料を使って、A4一枚に収まる業務改善提案書にまとめてください。
構成は「目的/現状と課題/改善案(松竹梅)/期待できる効果/懸念と対策/費用・体制・スケジュール」。
- 社内文書の敬体で、簡潔に
- 数字は【要確認】のまま残し、私が後で確定できるようにする
- 読み手が3分で判断できる分量に
清書までの所要時間は、慣れれば15〜20分ほど。ゼロから白紙に向かうと1時間かかっていた作業が、「メモを渡す→整える→数字を埋める」の流れに変わります。
ただし、出てきた文章をそのまま提出しないこと。固有名詞・金額・日付は自分の目で必ず確認します。社外秘や個人情報を含む場合は、会社が許可したAIツール・環境で扱うのが前提です。
提案の型と説明力をもう一段上げたいなら
業務改善の提案は、フレームワーク(現状分析や課題の切り分け方)を知っていると、AIへの指示もぐっと的確になります。仕事の資料づくりや論理的な説明の講座は UdemyPR にまとまっており、セール時に買い切りで学べます。提案書に添える図解や配布資料の作り方を体系的に押さえたい人にも向きます。
紙で手元に置きたいなら、ロジカルな文書術・企画書の書き方の本を AmazonPR で探すのも手です。AIに任せる部分と、自分の言葉で書くべき部分の線引きが、読むほどにはっきりしてきます。
本記事はアフィリエイトリンクを含みます(PR)。掲載サービスの料金・提供内容は変わることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の情報をご確認ください。
まとめ:AIは「整える人」、決めるのは自分
- 業務改善提案書は「目的→現状→改善案→効果→懸念→費用体制」の型で決まる
- 現状は口語のメモで渡し、AIには「書いてないことを足さない」よう指示する
- 改善案は松竹梅で幅を出し、本命は竹か梅に置く
- 反対意見はAIに先出しさせ、答えられない点は先に確認する
- 数字・固有名・提出の判断は、最後まで人が握る
現場の「なんとかしたい」は、いちばん価値のある一次情報です。それを形にする手間だけをAIに預けて、あなたは中身と判断に集中する。その分担が、通る提案書への近道になります。