AI活用の教科書

社内のよくある質問(FAQ)をAIで整備するコツ|問い合わせを減らす手順とプロンプト

社内FAQ2026年7月12日6 分で読了執筆: 翔平

「これ前も聞かれた」を減らすために、社内FAQ・ナレッジをAIで整備する手順をまとめました。散らばった質問の棚卸し、Q&A化、更新のルールづくりまで、そのまま使えるプロンプト付き。固有名と数値の確定は人が担う前提で解説します。

ナレッジ業務効率化情報共有プロンプト
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「その申請、どこから出すんでしたっけ」——同じ質問に、月に何度も答えていませんか。総務や情シス、経理、あるいはチームの先輩に、似た問い合わせが集まり続ける。この記事は、その繰り返しを社内FAQ(よくある質問集)として生成AIで下ごしらえし、「一度書けば、次から自分で見てもらえる」状態に近づける手順です。

結論から言うと、AIが得意なのは「バラバラの質問を似たものでまとめ、質問と答えの形に整え、抜けている観点を指摘する」ところまで。社内ルールの正しさ、固有名や金額、最終的な公開判断は人が担う——この線引きを守れば、FAQづくりの一番面倒な「たたき台づくり」を大きく短縮できます。

<!-- FIGURE: 記事全体を表すアイキャッチ(散らばった問い合わせ→AIで整理→FAQカードに集約される流れ) -->

まず全体像:AIに任せる工程と人が持つ工程

社内FAQの整備は、ざっくり4工程に分けられます。

  1. 収集(過去の質問を集める)… 人が素材を用意
  2. 分類・重複整理(似た質問をまとめる)… AIの得意分野
  3. Q&A化(質問と答えの下書き)… AIの下書き+人の確認
  4. 公開・更新(置き場所を決め、古くなったら直す)… 運用は人
<!-- FIGURE: 4工程(収集→分類→Q&A化→更新)でAIと人の担当を色分けした表 -->

ポイントは3のQ&A化です。AIはそれらしい答えを作るのが上手なので、実際の社内ルールと違っても、しれっと断定してしまうことがあります(いわゆるハルシネーション)。答えの中身は必ず一次資料と突き合わせて確認する前提で使ってください。

手順1:散らばった質問を1か所に集める

まずは素材集めです。チャットの検索窓で「教えて」「どこ」「どうやって」などで過去ログをたどり、実際に来た質問をコピーして1行1件で並べます。メールの問い合わせ、口頭でよく聞かれる内容もメモに足します。この段階では雑でかまいません。

個人名・取引先名・社外秘の数字が混ざる場合は、AIに渡す前に伏せ字にするのが安全です(社内規定や許可されたツールの範囲で扱ってください)。

手順2:似た質問をまとめるプロンプト

集めた質問を、AIに整理させます。自分でカテゴリを決めず、AIに提案させると、思い込みで分けていた枠の外が見えてきます。

以下は社内で実際に来た質問のリストです。
内容の近いものをまとめ、5〜8個のカテゴリに分類してください。

出力形式:
- カテゴリ名:ひとことの説明
- そのカテゴリに入る質問の番号
- 重複していそうな質問はまとめ、「同じ意味の別の言い方」も併記

注意:
- 1つの質問が複数カテゴリにまたがる場合は両方に入れて可
- 判断に迷ったものは「その他」に入れ、理由を一言添える

--- 質問リスト ---
1. (ここに貼る)
2. ...
コードをコピーしました
<!-- FIGURE: 質問リストの入力と、カテゴリ別に振り分けられた出力イメージ -->

「同じ意味の別の言い方」を出させるのがコツです。人によって言い回しが違うと検索で見つからないので、表記ゆれをFAQ側で吸収しておくと、あとで見つけてもらいやすくなります。

手順3:Q&Aの下書きをつくる

分類ができたら、カテゴリごとにQ&Aの形へ整えます。ここで大事なのは、答えの中身をAIに創作させないこと。手元の資料(規定・マニュアル・過去の回答メール)を一緒に渡し、「この範囲から書いて」と縛ります。

次の資料だけを根拠に、FAQの下書きを作ってください。
資料に書かれていないことは書かず、「資料に記載なし・要確認」と明記してください。

各項目の形式:
- Q(質問。実際に来た言い方に近づける)
- A(3〜5行。手順は番号付き。専門用語は一言添える)
- 参照(根拠にした資料名・箇所)

--- 資料 ---
(規定やマニュアルの該当部分を貼る)
--- まとめたい質問 ---
(手順2のカテゴリを1つ貼る)
コードをコピーしました

ClaudeやChatGPT、Geminiなどに渡すと、質問の言い回しをやわらかく整え、手順を箇条書きにしてくれます。ただし「参照」に空欄や「要確認」が並んだ項目は、答えの根拠が弱いサインです。そこは人が資料をあたって埋めます。

手順4:置き場所と更新ルールを決める

FAQは作って終わりではなく、見つけてもらえる場所に置き、古くなったら直すまでがセットです。よく使うチャットツールのピン留め、共有ドキュメント、社内Wikiなど、みんなが最初に見る場所に1本化します。

更新のとっかかりも、AIに手伝わせられます。

このFAQ項目について、次を点検してください。
- 制度変更で古くなりやすい記述はどれか(候補を挙げる)
- 読み手がつまずきそうな曖昧な表現はどこか
- 追加した方がよい「関連する質問」はあるか
※事実の正しさは判断せず、点検の観点だけ挙げてください
コードをコピーしました

「日付と担当者を各項目に添える」「半年に一度は見直す」といった小さなルールを決めておくと、放置されて信用を失う事態を避けられます。

実際にやってみて感じたコツ

20件ほどの模擬質問で試したところ、分類と重複整理は1〜2分で出ました。ただ、最初の下書きは答えが総花的で、「担当部署に確認してください」で逃げる項目が多めでした。「『確認してください』で終わらせず、確認先と持ち物を具体的に書いて」と一文足すと、実用度がぐっと上がります。

もう一つ。質問は「利用者の言葉」で残すのが効きます。管理側は「経費精算フロー」と呼んでも、現場は「立て替えたお金、いつ戻る?」と検索します。実際に来た言い回しをQにそのまま使うと、検索で当たりやすくなりました。

やってはいけないこと

  • AIが書いた答えを未確認のまま公開しない。制度・金額・手順は一次資料と突き合わせる。
  • 社外秘や個人情報をそのまま渡さない。伏せ字にするか、社内で許可されたツールを使う。
  • 一度作って放置しない。古いFAQは、無いより混乱を招くことがあります。

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用語のおさらいは生成AIとはハルシネーションもあわせてどうぞ。

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