新しく人を迎えるとき、いちばん大変なのは「何を、どの順番で伝えるか」を整理することです。結論から言うと、初日の案内・教育計画・よくある質問集といった土台の文書はAIにたたき台を作らせ、事実の確認と最終判断だけ人がやると、受け入れ準備は半分くらいの手間で形になります。この記事では、新入社員や中途入社の受け入れ(オンボーディング)をAIで整える手順を、そのまま使えるプロンプトつきで紹介します。
<!-- FIGURE: 受け入れ準備の全体像(初日案内→教育計画→FAQ→1週間後の振り返り)を左から右へ並べたアイキャッチ図 -->オンボーディングとは? 何を準備すればいいのか
オンボーディングは、新しく入った人が職場になじみ、早く力を出せるようになるまでの受け入れの流れ全体を指します。初日のあいさつだけでなく、最初の数週間の学びや人間関係づくりまでを含みます。
準備するものは、だいたい次の4つに整理できます。
- 初日の案内:出社時間、持ち物、席、パソコンの受け取り、当日の流れ。
- 教育計画(オンボーディングプラン):最初の1〜2週間で何を覚えてもらうか。
- よくある質問集(FAQ):休憩の取り方、経費の申請先、困ったときの相談相手。
- 振り返りの場:数日後・1週間後に「困っていないか」を聞くタイミング。
この4つは、迎える人が変わっても骨組みはほぼ共通です。だからこそ、一度AIでたたき台を作っておくと、次の受け入れでも使い回せます。
AIに任せる部分と、人が決める部分を分ける
先に線を引いておくと、準備がぶれません。
| AIに任せてよい | 人が必ずやる |
|---|---|
| 文書の構成・見出しづくり | 事実(日時・担当者・金額)の確認 |
| かたい社内用語の言い換え | 社外秘・個人情報の扱いの判断 |
| 抜けている項目の洗い出し | 教える順番の最終決定 |
| 質問文・案内文の下書き | 相手に合わせた温度調整 |
大規模言語モデルは、もっともらしい文章を作るのは得意ですが、事実の作り話(ハルシネーション)が混じることがあります。担当者の名前や締め切り、金額は、必ず自分の資料から拾ってください。まだ公開していない人事情報や個人情報は、許可された環境でのみ扱い、AIに渡すときは仮名や「〇〇部の担当」に置き換えます。
<!-- FIGURE: 「AIがやること(構成・言い換え・抜け出し)」と「人がやること(事実確認・判断・温度調整)」を左右に分けた役割分担の図 -->初日の案内文をAIで作るプロンプト
まず、迎える初日の案内をたたき台にします。{ } を自分の職場の事情で埋めてください。
あなたは人事・総務の受け入れ担当です。
新しく入る人に送る「初日の案内」の下書きを作ってください。
# 前提
- 入る人:{中途/新卒・職種・配属先}
- 初日の日付と集合時間:{日時と場所}
- 当日の流れ:{受付→PC受け取り→オリエン→ランチ など分かる範囲で}
- 持ち物:{身分証・印鑑・口座情報 など}
# お願い
1. やわらかく、緊張をほぐすトーンで
2. 時系列で「何時に・どこで・何をするか」が分かるように
3. 不安になりやすい点(昼食・服装・交通)に先回りで触れる
4. 私が確認すべき箇所は【要確認】と印を付ける
最後の【要確認】が効きます。AIは日時や担当者名をそれらしく埋めてしまうので、印を付けさせて、そこは自分の資料と突き合わせます。
最初の2週間の教育計画をたたき台にする
次に、覚えてもらうことを時間軸に並べます。いきなり全部を詰め込まず、AIに「量が多すぎないか」も見てもらいましょう。
新しく入る{職種}の、最初の10営業日の教育計画を作ってください。
# 覚えてほしいこと(順不同)
{箇条書きで、業務・ツール・ルールなどを列挙}
# 条件
- 1日にやることは3つまで(詰め込みすぎない)
- 前半はツールと環境、後半で実務、と段階を分ける
- 各日に「その日のゴール(これができればOK)」を一言添える
- 途中に、質問しやすい振り返りの時間を入れる
盛りすぎだと思う箇所は、削る候補として指摘してください。
「1日3つまで」と縛るのがコツです。受け入れ側はつい多くを教えたくなりますが、初日から10個覚えさせても定着しません。ChatGPTやClaudeのような対話AIは、こうした「量の調整役」に向いています。
<!-- FIGURE: 10営業日の教育計画を、前半(環境・ツール)と後半(実務)に分け、各日のゴールを添えた表 -->よくある質問集(FAQ)を先回りで用意する
新しく入った人が最初につまずくのは、たいてい「誰に聞けばいいか分からない」ことです。過去に自分が入ったときの不安を思い出しながら、AIに質問案を出させます。
新しく職場に入った人が、最初の1週間で抱きやすい素朴な疑問を20個挙げてください。
(休憩・昼食・経費・服装・連絡手段・体調不良の連絡先 など、
言い出しにくい小さなことも含めて)
そのうえで、私が答えを書き込めるように、質問と空欄の回答欄を並べてください。
出てきた20個のうち、自分の職場に合うものを選んで答えを書けば、それがそのままFAQになります。ゼロから質問を考えるより、抜けが減ります。
一次情報:使って分かった3つのコツ
実際に受け入れ資料をAIで下書きしてみて、気づいたことです。
- 自分の職場の言葉を5行渡すだけで、精度がぐっと上がる。 「うちは私服可」「経費は月末締め」など、当たり前のことほど先に渡すと、的外れな下書きが減りました。整えるだけなら15分ほどで初日案内が形になります。
- 『抜けを指摘して』と頼むと、思わぬ穴が見つかる。 自分では「駐車場の案内」を忘れていて、AIの抜け出しで気づきました。作らせるより、点検役として使うほうが価値が出ます。
- 教育計画は『少なすぎるくらい』でちょうどいい。 AIは親切に予定を詰めがちなので、「1日3つまで」と縛らないと、迎える人も新しい人も息が切れます。
迎えたあとの「振り返り」まで用意しておく
準備で終わりにせず、数日後に聞く質問も先に作っておくと、フォローが楽になります。
新しく入った人に、入社3日後と1週間後に聞く「振り返りの質問」を、
それぞれ5つずつ作ってください。
責める調子にならず、困りごとを言い出しやすい聞き方でお願いします。
「はい/いいえ」で終わらない、開かれた質問にしてください。
「何か困っていませんか」より、「この3日で、いちばん戸惑ったのはどんな場面でしたか」のほうが本音が出ます。こうした問いの立て方も、AIに何案か出させて選ぶと早いです。
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まとめ
オンボーディングの準備は、初日案内・教育計画・FAQ・振り返りの4つが土台です。文書の構成や言い換え、抜けの洗い出しはAIに任せ、事実の確認と教える順番の決定は人が持つ——この分担なら、迎える側の負担を大きく減らせます。次に人を迎えるときは、まず上の「初日の案内」プロンプトから試してみてください。一度作った資料は、次の受け入れでも土台として使い回せます。