稟議書や申請書は、「何を書けばいいか」より「どう書けば通るか」で手が止まりがちです。結論から言うと、目的・背景・費用対効果・想定される反対意見への答えを先にAIに整理させ、数字と社内ルールだけ自分で確定させると、白紙から一気に進みます。この記事では、ChatGPT や Claude を使った稟議書・申請書の下書き手順を、コピペで使えるプロンプトつきで紹介します。
<!-- FIGURE: 記事全体を表すアイキャッチ(白紙の稟議書 → AIで骨組み → 人が数字を確定、の3ステップ) -->結論:AIは「骨組みと反論つぶし」担当、判断と数字は人
稟議書づくりでAIに任せると速いのは、次の3つです。
- 承認者が知りたい順番に論点を並べ替える
- 「なぜ今なのか」「他の案ではだめなのか」を先回りで言語化する
- 硬い書式・敬語・箇条書きへ整える
逆に、AIに任せてはいけないのは金額・見積り・社内規程・決裁ルートです。ここは実在の数字と自社ルールがすべてなので、AIが埋めた部分は必ず自分で差し替えます。この線引きさえ守れば、稟議書は「ゼロから悩む作業」から「材料を渡して仕上げる作業」に変わります。
<!-- FIGURE: AIに任せる範囲(構成・反論つぶし・体裁)と人が守る範囲(金額・規程・決裁)の対比図 -->そもそも稟議書が通らない理由
通らない稟議書には、だいたい共通点があります。
- 目的が書いていない(「導入したい」だけで、何が解決するのかが不明)
- 費用の話しかない(効果や、やらない場合のリスクが抜けている)
- 承認者の立場で書かれていない(現場の熱意だけで、上長が説明責任を果たせない)
AIが得意なのは、まさにこの「抜け」を指摘して埋めることです。自分が書いた文章を貼り付けて「承認する立場から見て、足りない情報を挙げて」と頼むだけでも、盲点が見つかります。
手順:材料を渡す → 骨組みを作る → 反論をつぶす
ステップ1:材料をメモで渡す
いきなり「稟議書を書いて」と頼むと、AIは一般論で埋めてしまい、自社の事情と合いません。先に、箇条書きで事実を渡します。
次の情報から、社内稟議書のたたき台を作ってください。
【何を】チャット型の問い合わせ対応ツールを1つ導入したい
【なぜ】問い合わせ対応に1日あたり合計◯時間かかっている(※数字は要確認)
【誰が困っている】カスタマーサポート3名、繁忙期は残業が発生
【想定コスト】月額◯円(※見積り取得中)
【代替案】人員増、現状維持
出力は「目的/背景・現状の課題/導入で期待できる効果/費用/代替案との比較/導入スケジュール」の見出しで。
断定を避け、効果は『見込み』として書いてください。
「※要確認」と書いておくと、AIが勝手に数字を作りにくくなります。空欄のまま渡して、あとで自分が埋めるのがコツです。
ステップ2:承認者目線で反論をつぶす
たたき台ができたら、そのまま次の質問を続けます。
この稟議書を承認する部長の立場で、突っ込まれそうな質問を5つ挙げてください。
そのうえで、それぞれに1〜2行で答える文案も添えてください。
「効果が本当に出るのか」「無料ツールではだめなのか」といった、会議で聞かれがちな質問が先に見えます。ここで答えを用意しておくと、差し戻しが減ります。実際に使うと、自分では思いつかない角度の質問が2〜3個は出てくるので、下書き段階での“予行演習”になります。
<!-- FIGURE: 承認者が聞きそうな質問と、事前に用意した回答をQ&Aで並べた表 -->ステップ3:体裁を自社の型に合わせる
最後に、社内の稟議書テンプレートの見出しを貼り付けて「この見出し構成に合わせて整えて」と指示します。表現も「社内向けの硬い敬体で」「A4一枚に収まる分量で」と条件を足すと、提出できる形に近づきます。
そのまま使えるプロンプト例(申請書向け)
備品購入や出張申請など、短い申請書にはこちらが便利です。
社内の「◯◯申請書」の申請理由を、120字程度で作ってください。
【申請するもの】
【使う目的】
【使う人・部署】
【緊急度】
硬すぎず、承認者が一読で判断できる簡潔さにしてください。誇張はしないでください。
申請理由は短いほど悩みがちですが、AIに「一読で判断できる簡潔さで」と条件を付けると、要点だけの文になります。
ここに注意(AIに任せない部分)
- 金額・見積り:AIが埋めた数字は必ず正式な見積りや社内表と突き合わせる。
- 社内規程・決裁ルート:稟議の要否や金額の閾値は会社ごとに違うため、AIの一般論ではなく社内規程で確認する。
- 機密情報:取引先名や未公開の数字を、会社が許可していないツールに貼らない。社内で承認されたAI環境を使う。
- 効果の書き方:「必ず削減できる」ではなく「削減が見込める」と、断定を避ける。誇張した稟議は後で自分が困ります。
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まとめ
稟議書・申請書は、AIに「構成・反論つぶし・体裁」を任せ、「金額・規程・判断」を人が握ると、驚くほど速く形になります。大事なのは、白紙から一人で悩まないこと。事実をメモで渡し、承認者目線で質問させ、自社の型に整える——この3ステップを一度試すと、次からの申請作業がぐっと軽くなります。まずは今止まっている一件で、材料を箇条書きにするところから始めてみてください。